2021年8月16日 / 最終更新日時 : 2021年8月16日 touzainozomu 詩歌漫遊 来て見れば長谷は秋風ばかりなり 夏目漱石 来て見れば長谷は秋風ばかりなり 夏目漱石(1867〜1916) ◯明治30(1897)年の作。「長谷」は鎌倉市長谷のこと。かの鎌倉大仏のあるところ。秋風のさびしさとひと気ない長谷の情趣深さがあいまって、どこか滑稽味を […]
2021年8月12日 / 最終更新日時 : 2021年8月12日 touzainozomu 詩歌漫遊 夏虫の身をいたづらになす事もひとつ思ひによりてなりけり 読人しらず 夏虫の身をいたづらになす事もひとつ思ひによりてなりけり 読人しらず 五四四 訳)夏の虫が、飛んで火に入り 身をいたづらに ほろぼすことも わたしと同じく「おもひ」といふ火に 誘はれてのことだったのだ […]
2021年8月8日 / 最終更新日時 : 2021年9月3日 touzainozomu 詩歌漫遊 乞食かな天地ヲ着たる夏衣 其角 乞食かな天地ヲ着たる夏衣 其角 (1661〜1707) ◯『虚栗(みなしぐり)』所収。其角は芭蕉の高弟で、生粋の江戸っ子。奇想をもっておどろかせるような句が多い。とはいえ、それだけにはとどまらない人物。 […]
2021年8月6日 / 最終更新日時 : 2021年8月6日 touzainozomu 詩歌漫遊 立ちて思ひ居てもそ思ふくれなゐの赤裳裾引き去にし姿を 作者不詳歌 立ちて思ひ居ゐてもそ思ふくれなゐの赤裳あかも裾すそ引き去いにし姿を 作者不詳歌 (二五五〇) 訳)立っては思い 座っては思います くれないの 赤い裳の裾をひいて […]
2021年8月4日 / 最終更新日時 : 2021年8月6日 touzainozomu 詩歌漫遊 くるくると天地めぐるよき顔も白の瓶子も酔ひ舞へる身も 若山牧水 くるくると天地あめつちめぐるよき顔も白の瓶子へいしも酔ひ舞へる身も 若山牧水 (1885~1928) ◯『別離』(1910)所収。牧水は、酒に生き酒に死んだ歌人で、日本の李白 […]
2021年8月2日 / 最終更新日時 : 2021年8月2日 touzainozomu 詩歌漫遊 旅人の分くる夏野の草しげみ葉末に菅の小笠はづれて 西行 旅人の分くる夏野の草しげみ葉末はずゑに菅すげの小笠をがさはづれて 西行 訳)旅人が 分けてゆく夏の野原 草が高く茂っているからか 葉末に菅の小笠が浮かび上がって まるではずれているよう […]
2021年7月31日 / 最終更新日時 : 2021年8月4日 touzainozomu 詩歌漫遊 百日紅ごくごく水を呑むばかり 石田波郷 百日紅ひやくじつこうごくごく水を呑むばかり ◯『鶴の眼』(1939)所収。百日紅の和名はサルスベリ。夏から秋にかけて百日ほど淡紅、白色の花をつける。猿もすべり落ちるというなめらかな木目と […]
2021年7月29日 / 最終更新日時 : 2021年8月4日 touzainozomu 詩歌漫遊 夏河を越すうれしさよ手に草履 蕪村 ◯前書き「丹波の加悦といふ所にて」。こういう俳句には解説は要らない。解説が要らないというのは、わかりやすいと同時に親しみやすく、特殊な経験や高度な知識を必要とせずに、その意味がただちに感得されるということだ。それは、やや […]
2021年7月25日 / 最終更新日時 : 2021年8月4日 touzainozomu 詩歌漫遊 ござたつたと見ゆる目もとのおさかなはさては娘がやきくさつたか 弥次郎兵衛 〇『東海道中膝栗毛』「初編」より。ご存じ、弥次郎兵衛と喜多八の珍道中。ふたりの馬鹿話、遭遇する事件のおかしさが物語の眼目だが、その顛末を狂歌によって洒落のめしていることはあまり取りあげられない […]
2021年7月24日 / 最終更新日時 : 2021年7月25日 touzainozomu 詩歌漫遊 たか山の峯ふみならす虎の子ののぼらむ道の末ぞはるけき 藤原定家 訳)高山の 峯をふみならして 虎の子が のぼってゆくだろう、この道を。 その道の果てしなさよ ◯『拾遺愚草』所収。「十題百首」より。「十題百首」は、天部・地部・居処・草・木・鳥 […]