2021年10月20日 / 最終更新日時 : 2021年10月20日 touzainozomu 詩歌漫遊 旅寝する蘆のまろ屋の寒ければ爪木樵り積む舟急ぐなり 源経信 旅寝する蘆のまろ屋の寒ければ爪木樵り積む舟急ぐなり 源経信(1016〜1097) 訳)旅寝する 蘆で葺いたあばら屋が 寒いので たきぎを切って積んだ 舟が急いでいるのだろう ◯『新古今和歌集』巻十、覉旅。九二七。詞書「 […]
2021年10月16日 / 最終更新日時 : 2021年10月17日 touzainozomu 詩歌漫遊 野原より露のゆかりを尋ね来てわが衣手に秋風ぞ吹く 後鳥羽院 野原より露のゆかりを尋ね来てわが衣手に秋風ぞ吹く 四七一 後鳥羽院 訳)野原から ちょっとした縁のある者を、ああこの涙を はるばると尋ねて来て 我が衣手に 秋風が吹いているのだ ◯『新古今和歌集』巻五、秋下。「露」は […]
2021年10月12日 / 最終更新日時 : 2021年10月13日 touzainozomu 詩歌漫遊 おとろへし蠅の一つが力なく障子に這ひて日はしづかなり 伊藤左千夫 おとろへし蠅の一つが力なく障子に這ひて日はしづかなり 伊藤左千夫 ◯わたしたちは知らずしらず生き物を差別している。犬をなでるのはほほえましいが、海鼠をなでれば異常とされる。このちがいはどう […]
2021年10月10日 / 最終更新日時 : 2021年10月10日 touzainozomu 詩歌漫遊 うちひさす宮道を人は満ち行けど我が思ふ君はただひとりのみ 柿本人麻呂歌集 うちひさす宮道みやぢを人は満ち行けど我あが思もふ君はただひとりのみ 柿本人麻呂歌集 二三八二 訳) ウチヒサス 宮殿へとつづく道に 人びとが満ちていますが わたしが想うきみは ただひとりしか […]
2021年10月9日 / 最終更新日時 : 2021年10月9日 touzainozomu 詩歌漫遊 馬追虫の髭のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし 長塚節 馬追虫うまおひの髭ひげのそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし 長塚節(1879~1915) ○明治四十年「初秋の歌」より。「馬追虫」はバッタの一種で、「すいーちょん、すいーちょん」と […]
2021年9月30日 / 最終更新日時 : 2021年9月30日 touzainozomu 詩歌漫遊 まだ知らぬ人をはじめて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ 二条太皇太后宮肥後 まだ知らぬ人をはじめて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ 二条太皇太后宮肥後 訳)まだよく知らない あの人をはじめて 恋しくおもいます あなたをおもう心よ 行くべき道を示しておくれ […]
2021年9月28日 / 最終更新日時 : 2021年9月28日 touzainozomu 詩歌漫遊 はるかなるもろこしまでも行くものは秋の寝覚めの心なりけり 大弐三位 はるかなるもろこしまでも行くものは秋の寝覚めの心なりけり 大弐だいにの三位さんみ 訳)はるか遠く 唐土もろこしまでも 行くものは 夜長の秋にはっと目覚めた このこころなのだなあ […]
2021年9月25日 / 最終更新日時 : 2021年9月25日 touzainozomu 詩歌漫遊 山里のそともの岡の高き木にそぞろがましき秋蝉の声 西行 山里のそともの岡の高き木にそぞろがましき秋蝉の声 西行 訳)山里の 陰ふかき岡の 高い木の上に なにとなく心をぞわぞわさせる 秋蝉の声 ○『山家集』上、秋。詞書「山里に人々ま […]
2021年9月23日 / 最終更新日時 : 2021年9月23日 touzainozomu 詩歌漫遊 何となくさすがに惜しき命かなあり経ば人や思ひ知るとて 西行 何となくさすがに惜しき命かなあり経へば人や思ひ知るとて 西行 訳)なんとなく やはり捨てるには惜しい この命 生き長らえれば、あなたが この恋心をしってくれるかもしれないから […]
2021年9月18日 / 最終更新日時 : 2021年9月18日 touzainozomu 詩歌漫遊 山ふかき落葉のなかに光り居る寂しきみづをわれは見にけり 斎藤茂吉 山ふかき落葉のなかに光り居る寂さびしきみづをわれは見にけり 斎藤茂吉(1882~1953) ○『赤光しやつこう』(大正2年)所収。「睦岡山中」。一月の寒たる山奥へ歩んでゆくと、道には雨に散っ […]