2021年7月4日 / 最終更新日時 : 2021年7月4日 touzainozomu 詩歌漫遊 海の子は高き帆桁に跨がりぬ雲にまがひしいさな船かな 吉井勇 ◯『酒ほがひ』(1910)所収。「海の墓」より。「いさな」はクジラの古称。「いさな船」は作者の造語のようだが、捕鯨船のことだろう。吉井の父は海軍の軍人で、職を辞したあとは捕鯨会社につとめたこともあり、その影響がこの連作に […]
2021年4月20日 / 最終更新日時 : 2022年1月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 君にちかふ阿蘇の煙の絶ゆるとも萬葉集の歌ほろぶとも 吉井勇 ○『酒ほがひ』所収。吉井勇は『明星』出身の歌人で、与謝野晶子・寛の薫育をうけた。第一歌集の『酒ほがひ』は酒・恋・孤独といった青春のうたが奔放にみづみづしく詠まれている。 このような丈の大きいうたはそうお目にかかれません […]