2021年12月15日 / 最終更新日時 : 2021年12月15日 touzainozomu 詩歌漫遊 筑波嶺の峰のもみぢ葉落ち積もり知るも知らぬもなべてかなしも 常陸歌 筑波嶺の峰のもみぢ葉落ち積もり知るも知らぬもなべてかなしも 常陸歌 訳)筑波山の 峰の紅葉が 落ちて、積もって 知る人も、知らぬ人も すべてがいとおしい ◯『古今和歌集』巻二十、大歌所御歌。一〇九六。このうたは、前のう […]
2021年12月9日 / 最終更新日時 : 2021年12月14日 touzainozomu 詩歌漫遊 夕ぐれは雲のはたてにものぞ思ふ天つ空なる人を恋ふとて 読み人しらず 夕ぐれは雲のはたてにものぞ思ふ天あまつ空なる人を恋ふとて 読み人しらず 訳)夕ぐれどき 雲の果てをみて ものをおもう はるかかなたの 人が恋しくて ○『古今和歌集』巻十一、恋一 […]
2021年11月3日 / 最終更新日時 : 2021年11月3日 touzainozomu 詩歌漫遊 植ゑし植ゑば秋なき時や咲かざらむ花こそ散らめ根さへ枯れめや 在原業平 植うゑし植ゑば秋なき時や咲かざらむ花こそ散らめ根さへ枯れめや 在原業平 訳)まごころこめて植えたらならば 秋が来ない時も 咲かない、なんてことがありましょうか 花はやがて散ります、それでも […]
2021年9月9日 / 最終更新日時 : 2021年9月9日 touzainozomu 詩歌漫遊 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行 一六九 訳)秋が来たと 目にははっきり 見えないが 風の音に はっとおどろかされた ○『古今和歌集』巻四、秋 […]
2021年9月8日 / 最終更新日時 : 2021年9月8日 touzainozomu 詩歌漫遊 夏と秋とゆきかふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらむ 凡河内躬恒 夏と秋とゆきかふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらむ 凡河内躬恒 一六八 訳)夏と秋とが ゆきちがう空への 通い路には 片方だけにすずしい 風がふいているのだろうか 『古今 […]
2021年8月12日 / 最終更新日時 : 2021年8月12日 touzainozomu 詩歌漫遊 夏虫の身をいたづらになす事もひとつ思ひによりてなりけり 読人しらず 夏虫の身をいたづらになす事もひとつ思ひによりてなりけり 読人しらず 五四四 訳)夏の虫が、飛んで火に入り 身をいたづらに ほろぼすことも わたしと同じく「おもひ」といふ火に 誘はれてのことだったのだ […]