2021年12月4日 / 最終更新日時 : 2021年12月5日 touzainozomu 詩歌漫遊 珠洲の海に朝開きして漕ぎ来れば長浜の浦の月照りにけり 大伴家持 珠洲すずの海に朝開あさびらきして漕ぎ来れば長浜ながはまの浦の月照りにけり 大伴家持 訳)珠洲の港を 早朝に出て 漕いでくると 長浜の浦にはもう 月が照っていた ◯『万葉集』巻十七。四〇二九 […]
2021年11月26日 / 最終更新日時 : 2021年11月27日 touzainozomu 詩歌漫遊 筑波嶺の嶺ろに霞ゐ過ぎかてに息づく君を率寝てやらさね 東歌・常陸国歌 筑波嶺の嶺ねろに霞ゐ過ぎかてに息づく君を率ゐ寝ねてやらさね 東歌・常陸国歌 訳)筑波山の 峰にかかる霞、たぢろぎもせず 過ぎ去るのもためらい 嘆きの息をつくあのお方を、さあ、 連れてきてい […]
2021年11月24日 / 最終更新日時 : 2021年11月24日 touzainozomu 詩歌漫遊 秋の田の穂の上に霧らふ朝霞いつへの方に我が恋やまむ 磐姫皇后 秋の田の穂の上へに霧きらふ朝霞いつへの方に我が恋やまむ 磐姫いわのひめ皇后おほきさき 訳)秋の田の 稲穂の上にたちこめる 朝霞 行く末見えぬその景色 そしてわたしの恋ごころ、どこへ晴らせばい […]
2021年11月20日 / 最終更新日時 : 2021年11月20日 touzainozomu 詩歌漫遊 君待つと我が恋ひをれば我がやどの簾動かし秋の風吹く 額田王 君待つと我あが恋ひをれば我がやどの簾すだれ動かし秋の風吹く 額田ぬかたの王おほきみ 訳)あなたのおとずれを 恋しく待ちわびていると わたしの家の 簾をうごかして 秋の風が吹き去ってゆきます […]
2021年10月31日 / 最終更新日時 : 2021年10月31日 touzainozomu 詩歌漫遊 誰そ彼れと我をな問ひそ九月の露にぬれつつ君待つ我を 柿本人麻呂歌集 誰たそ彼かれと我をな問ひそ九月ながつきの露にぬれつつ君待つ我を 柿本人麻呂歌集 二二四〇 訳)だれだろうあれはと わたしを指さないでください、あなた 九月の つめたい露にぬれ […]
2021年10月29日 / 最終更新日時 : 2021年10月31日 touzainozomu 詩歌漫遊 さ雄鹿の妻ととのふと鳴く声の至らむ極みなびけ萩原 作者未詳 さ雄を鹿しかの妻ととのふと鳴く声の至らむ極みなびけ萩原 作者未詳 訳)雄鹿が 妻をあつめようと 鳴く声が 果ての果てまでとどけ そしてなびけ、萩原よ、妻たちよ ◯『万葉集』巻十 […]
2021年10月10日 / 最終更新日時 : 2021年10月10日 touzainozomu 詩歌漫遊 うちひさす宮道を人は満ち行けど我が思ふ君はただひとりのみ 柿本人麻呂歌集 うちひさす宮道みやぢを人は満ち行けど我あが思もふ君はただひとりのみ 柿本人麻呂歌集 二三八二 訳) ウチヒサス 宮殿へとつづく道に 人びとが満ちていますが わたしが想うきみは ただひとりしか […]
2021年8月29日 / 最終更新日時 : 2021年8月29日 touzainozomu 詩歌漫遊 石麻呂に我物申す夏痩せに良しといふものそ鰻捕り食せ 大伴家持 石いし麻呂まろに我われ物申ものまをす夏なつ痩やせに良しといふものそ鰻むなぎ捕とり食めせ 大伴家持 三八五三 訳)石麻呂どの ひとつ物申したいと存じます 夏痩せに 良く効くとかいう 鰻を捕 […]
2021年8月25日 / 最終更新日時 : 2021年8月27日 touzainozomu 詩歌漫遊 筑波嶺のをてもこのもに守部すゑ母い守れども魂そあひける 常陸国歌 筑波嶺のをてもこのもに守部すゑ母い守れども魂そあひける 東歌・常陸国 三三九三 訳)筑波山の あちらこちらに 番人を据えて 母はわたしを監視する。けれど たましいはもう出会ってしまったのです ◯『万葉集』巻十四。「をて […]
2021年8月23日 / 最終更新日時 : 2021年8月25日 touzainozomu 詩歌漫遊 多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだかなしき 東歌・武蔵国の歌 多摩川にさらす手作てづくりさらさらに何なにそこの児のここだかなしき 東歌・武蔵国の歌 [三三七三] 訳)多摩川にさらす 手織りの布、さらさらと さらにさらに この児が愛かなしいのは どういう […]