2021年4月17日 / 最終更新日時 : 2022年1月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 こみ合へる電車の隅にちぢこまるゆふべゆふべの我のいとしさ 石川啄木 こみ合へる電車の隅に ちぢこまる ゆふべゆふべの我のいとしさ 〇『一握の砂』所収。1908年に妻子を置いて単身上京した啄木は、朝日新聞に出社しつつ日々煩悶していた。貧乏、病苦、情事、社会情勢、人付き合い、そ […]
2021年3月23日 / 最終更新日時 : 2022年1月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 ありと見て手にはとられず見ればまたゆくへもしらず消えし蜻蛉 薫(源氏物語) あなたを目のまえに見て 手を伸べたけど届かなかった 今度こそはと見れば またもどこかへ消えてしまった 蜻蛉よ 『源氏物語』蜻蛉巻。薫は、宇治ではじめて大君を見たことを回想し、大君亡きあとそのゆかりと思った浮 […]
2021年3月17日 / 最終更新日時 : 2022年1月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 囀に独起出るや泊客 召波 囀さへずりに独ひとり起出るや泊客 召波しようは 〇早朝、鳥が高く鳴いている。泊めていた客の様子を見に行くと布団はもぬけの殻。 いまごろ春の鳥にみちびかれて外をさんぽでもしているのだろうか。 […]
2021年3月3日 / 最終更新日時 : 2022年1月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 「オヒルトリーのウィリアム・シンプソンへ」 ロバート・バーンズ To William Simson,Ochiltree Robert Burns May-1785 The Muse ,nae Poet ever fa […]
2021年2月26日 / 最終更新日時 : 2022年1月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 水鳥の立ちの急ぎに父母に物言ず来にて今ぞ悔しき 水鳥の立ちの急ぎに父母に物言はず来けにて今ぞ悔しき 上丁有都部牛麻呂うとべのうしまろ ミズトリノ 立ち急いだせいで 父母に ろくに物も言わずに来てしまった 今が悔やまれる 万葉集巻二十。四三三七。駿河国 […]
2021年2月26日 / 最終更新日時 : 2022年1月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事 新あらたしき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事よごと 大伴家持 きょうは新年のはじまり そして折しも 立春でもあるきょうの ふりつもってゆく雪のように 吉よき事が積みかさなってゆく年 […]
2021年2月23日 / 最終更新日時 : 2021年9月12日 touzainozomu 詩歌漫遊 詩歌漫遊 序 ここでは気儘にぼくの好きな詩歌をあげていきたいと思います。 おもに和歌が多くなるでしょう。ぼくがもっとも親しんでいる詩型だからです。でも、ほかに俳句や歌謡それに漢詩も取りあげたいし、近現代の詩も紹介したい。さらに乏しい語 […]