2021年9月30日 / 最終更新日時 : 2021年9月30日 touzainozomu 詩歌漫遊 まだ知らぬ人をはじめて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ 二条太皇太后宮肥後 まだ知らぬ人をはじめて恋ふるかな思ふ心よ道しるべせよ 二条太皇太后宮肥後 訳)まだよく知らない あの人をはじめて 恋しくおもいます あなたをおもう心よ 行くべき道を示しておくれ […]
2021年9月28日 / 最終更新日時 : 2021年9月28日 touzainozomu 詩歌漫遊 はるかなるもろこしまでも行くものは秋の寝覚めの心なりけり 大弐三位 はるかなるもろこしまでも行くものは秋の寝覚めの心なりけり 大弐だいにの三位さんみ 訳)はるか遠く 唐土もろこしまでも 行くものは 夜長の秋にはっと目覚めた このこころなのだなあ […]
2021年9月25日 / 最終更新日時 : 2021年9月25日 touzainozomu 詩歌漫遊 山里のそともの岡の高き木にそぞろがましき秋蝉の声 西行 山里のそともの岡の高き木にそぞろがましき秋蝉の声 西行 訳)山里の 陰ふかき岡の 高い木の上に なにとなく心をぞわぞわさせる 秋蝉の声 ○『山家集』上、秋。詞書「山里に人々ま […]
2021年9月23日 / 最終更新日時 : 2021年9月23日 touzainozomu 詩歌漫遊 何となくさすがに惜しき命かなあり経ば人や思ひ知るとて 西行 何となくさすがに惜しき命かなあり経へば人や思ひ知るとて 西行 訳)なんとなく やはり捨てるには惜しい この命 生き長らえれば、あなたが この恋心をしってくれるかもしれないから […]
2021年9月18日 / 最終更新日時 : 2021年9月18日 touzainozomu 詩歌漫遊 山ふかき落葉のなかに光り居る寂しきみづをわれは見にけり 斎藤茂吉 山ふかき落葉のなかに光り居る寂さびしきみづをわれは見にけり 斎藤茂吉(1882~1953) ○『赤光しやつこう』(大正2年)所収。「睦岡山中」。一月の寒たる山奥へ歩んでゆくと、道には雨に散っ […]
2021年9月16日 / 最終更新日時 : 2021年9月16日 touzainozomu 詩歌漫遊 灰ぐもり空低き日のしめやかさよろこぶ人と都に住みぬ 窪田空穂 灰ぐもり空低き日のしめやかさよろこぶ人と都に住みぬ 窪田くぼた空穂うつぼ(1877~1967) ○『明暗』(明治39年)所収。窪田空穂は、明治から昭和へかけてながく活躍し、どの歌壇にも媚びず […]
2021年9月11日 / 最終更新日時 : 2021年9月11日 touzainozomu 詩歌漫遊 優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる 俵万智 優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる 俵万智 ○『チョコレート革命』所収。優等生は礼儀よく、品もあり、ひとに嫌われず、おおきな挫折もなく、なにごとでも90点を叩きだし、つつがなく […]
2021年9月9日 / 最終更新日時 : 2021年9月9日 touzainozomu 詩歌漫遊 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行 一六九 訳)秋が来たと 目にははっきり 見えないが 風の音に はっとおどろかされた ○『古今和歌集』巻四、秋 […]
2021年9月8日 / 最終更新日時 : 2021年9月8日 touzainozomu 詩歌漫遊 夏と秋とゆきかふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらむ 凡河内躬恒 夏と秋とゆきかふ空のかよひぢはかたへ涼しき風や吹くらむ 凡河内躬恒 一六八 訳)夏と秋とが ゆきちがう空への 通い路には 片方だけにすずしい 風がふいているのだろうか 『古今 […]
2021年9月4日 / 最終更新日時 : 2021年9月4日 touzainozomu 詩歌漫遊 風はやみ雲の一むら峰こえて山見えそむる夕立のあと 伏見院 風はやみ雲の一むら峰こえて山見えそむる夕立のあと 伏見院 四一三 訳)風がはやい 雲の一群が 峰を越えると 山容があらわになってゆく 夕立ち去ったこのながめよ ○『玉葉和 […]