骨拾ふ人にしたしき菫かな   蕪村

こつ拾ふ人にしたしきすみれかな  蕪村

 

〇「骨」と「すみれ」という取り合わせの妙。火葬場で荼毘だびに付した骨をひとり一人故人をしのびつつひろう。
春のうららかな野原、あるいは山辺でおこなわれたのだろうか。彼らのかなしみによりそうように可憐な
スミレが咲いている。さくらでは大げさだ。つつじでも細やかさがない。スミレこそ「したしき」花にふ
さわしく、そのむらさき色こそかなしみに通ずる色でしょう。

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